「青崎さん大丈夫ですか?!」
「だ、大丈夫です」
慌てて謝りながら持ってきていたハンカチで濡れた口周りや服を拭き、床やテーブルに飛び散っていないか目を走らせる。噴き出す直前から現在に至るまで、目の前でじっとこちらを見ている彼には、さぞ噴き出した不細工極まりない顔で不快な思いをさせてしまったことだろう。
もう一度謝っておこう。それから、勝手に一石のコップに口を付けてしまったことも、ここで平謝りしておこう。
「すみません取り乱しました」
そのあと、少し落ち着いたところで再び麦茶に手を伸ばすと。
「オネーサンってイックンが好きなの?」
「!」
飲む前だったから今度は噴かずに済んだが、ここまでされるとわざとやっているとしか思えない。
「やっぱり!」
「ど、どうしてそんな目で見られないといけないのでしょうか」
終いには、隣に座る新堂にも完全に怪しむ視線を向けられる始末。
「噂ですよ噂! 了安先生と編集長、あと 海外支部の野田さんも手玉に取ってるって!」
「そんなわけないじゃないですか」



