青い青い空


 業界あるあるで慣れていたためそこまで驚きはしなかったが、プレイ名でこそ『()竜騎士』と名乗っている中身は男の子。初めて声を掛けられた時は思わず警戒してしまっていたが、今では何だかんだと気が合い数年前から仲良くさせてもらっている。ヘッドホンから聞こえる低くなりきっていないあどけない声からして、恐らく高校生ぐらいだろう。

 顔が見えない相手だからか、今まで幾度となく愚痴を聞いてもらってきた。とても聞き上手で、決してお喋りというわけではない。けれどはっきりとものを言ってくれる、言える性格が羨ましく、そして眩しくもあった。


『明日は何時にインできそう?』

「んーどうだろう。こればっかりは何ともねえ」

『じゃあもう少しだけでもイベ進めとく?』

「私は嬉しいけど大丈夫? 明日も学校じゃないの?」

『明日は創立記念日で休み』

「なんだって?! 一日中ゲームできるじゃん!」

『今回の上位ランク報酬は逃せないから』

「ほんとほんと! それなんだよう!」


 このオンラインゲームは、ナイトや魔女など、プレイヤーである自分をカスタマイズして、レベル上げをしながら敵を倒していくというもの。一人で黙々と本編を進めるか、仲間と協力して期間限定イベントで上位ランク報酬を狙うか、プレイスタイルは人によって様々だ。

 そして今私たちが参加しているのが、このゲームが配信された初期の限定イベント【七色の秘宝を求めて】の復刻版。