そのまま冷凍庫を開け、常備してあるハイパーカップのバニラを手に取り、カレーライス用の大きなスプーンを持ってパソコンの前へと戻る。
『仕事お疲れ様』
「そうなんだよー! ちょっと聞いてくれるー?」
とんでもない爆弾が落とされたのは今朝のことだ。
朝礼が済むなり編集長に通知されたのは、新年度から採用される継続者限定キャリアアップ。平たく言えば、給料が上がる代わりに仕事量が増えると言うこと。
確かに扶養内で働いているわけではないし、給料が上がるのは単純に嬉しい。が、掛け持ちしている身としては、増えた仕事が処理できないまま、多方面に迷惑がかかることだけは避けたいのだ。
「ていうかね! 普通キャリアアップは正社員だけだから! 何の相談もなく勝手に雑用のアルバイトまで対象にしないでって話だよ!」
『今日からいきなりだったの?』
「いや、前兆はあった」
『前兆……』
たとえば、了安の担当を引き継ぐこととか、コンテストの応募作品を読んでいても何も言われなかったこととか。
だからって、新しい担当を増やすとか、コンテストの選考を手伝うとか、完全にアルバイトの域超えてませんかね?
『じゃあ仕事を頑張ったご褒美だね。祝レアアイテムゲット』
「仰るとおり!」
そう思うと、いつにもましてアイスが美味しいというものだ。



