青い青い空


 触れた唇から伝わるのは、驚きが一番。

 次に照れくささと恥ずかしさ。


「……お、さべ……?」

「僕も似たような夢を見た」

「え……?」

「口に出すのも恐ろしいほど、怖い夢だった」


 だから、もう後悔したくないんだと、彼女を見据えて告げる。



 お前が好きだと。

 ずっと前から、青崎伊代が好きだったと。

 僕の恋人に、なって欲しいと。



「……順番、間違えてない?」

「断らないんだから別に問題ないだろ」

「どこから出て来るのその自信は」

「じゃあ断るのか」


 クスクスと、彼女は笑った。

 嬉しそうな顔で、青い空を見上げながら。「おそいよ」って、目尻から涙をこぼしながら。


「長部」

「ん?」

「私、今日のこと。この空の色、ずっと。いっしょうわすれない」

「……僕も。お前のその不細工な顔だけは絶対忘れられそうにない」

「なんだって?」

「そんな顔も好きだよって言った」