若草の匂いがする。 やわらかい風が、そっと前髪を攫った。 目を開けようとすると、あまりの眩しさに思わず顔が歪む。 手を翳しながら恐る恐る目蓋を持ち上げると、周りには青々と茂った草木に、大きな入道雲。一直線に伸びていく飛行機雲に、眩しい太陽。 そして、青い空。 「あ。やっと起きた」 隣には、愛しい人。