元々この体が持っていた才能なのか。今世では絵を描くことを得意としていた。だからといって、前世が物書きの才能があったのかと言えば、そういうわけではない。
物書きになると豪語していても、そう物事は簡単にはいかないものだ。
「……それでもあれを書き切れたのは、龍ノ平さんの力があったからなんだよな」
「ん? 何か言った?」
「リスみたいでかわいいねって言った」
「う、嘘だ。絶対そうは言ってない」
だから、彼を選ぶならそれはそれで仕方がないと思っていたし、彼ならきっと、彼女のことを幸せにしてくれると思っていた。
「……それでも俺なんかを選ぶんだもんよ」
「また何か言った?」
「変わってるねって言った」
「……それは本当っぽいけど、それはそれで嬉しくない」
でも選んだなら、もう逃げない。もしかしたら、いつかは本当のことを話す日が来るのかも知れない。でも別に、来ないなら来ないでいいんだ。
君は、君であって、君ではない。当たり前だ。君という人が出来上がるのは、周りの環境だって影響している。



