頬を両手で包み込まれ、落ちそうになった視線を無理矢理持ち上げられる。その視線の先には、少しだけ困ったような顔で眉を顰めた宵がいて。
「他には」
「ほか?」
「この際っつったからな。言いたいこと全部吐き出すぞ。まずはお前から」
「え。私は別に……」
「言わねえなら長風呂の理由」
「い、言います言います」
まずは、無視されるのが苦しかったと言うと、「悪かった、絶対もうしねえ」と。
電話も、素っ気ないのがつらかったと言うと、「わかった。気をつける」と。
いつも家にいてもひとりぼっちで寂しかったと言うと、「俺最低なことしかしてねえじゃねえかよ」と、ついには落ち込んだ。
「それから」
「俺メンタル持つかな……」
「もう一度、私と向き合ってくれてありがとう」
「伊代……」
きっと、今の彼なら受け止めてくれると、全て打ち明けることにした。



