真実を嘆いたりとか、そんな無駄なことは興味がなかった。そもそも自分は、彼らの悲惨な運命の理由が知りたかっただけ。それはそれでしょうがないと受け入れられた。自分よりも上級の神に太刀打ちできるわけでもないし。
龍の神となるための条件は、生への関心が薄い者であること。そして、全ての世界から存在を消滅させること。
新たに青き龍の候補としてあがっていた『長部龍生』は、着実に死の神の手により世界から少しずつ消滅されていたはずだった。
しかし、ある世界で不具合が起こる。
その不具合こそが『青崎伊代』であり、彼女の存在によって彼が生への執着を持つようになってしまったのだ。
「古葉龍青が残した言葉の通り、この世界には死神しかいないのかもしれないね」
彼を新たな青き龍に――それ以外に、上級神は何も考えてはいない。
彼が生への執着を捨てられるのであれば、どんなものでも使う。たとえそれが人の命であったとしても、神は自分たちの都合以外何も考えはしないのだ。
そして神の思惑通り、彼は自らの意志でどの世界からも消滅することを選ぶ。
この瞬間ついに、待ちに待った新しき青き龍が誕生した――――。



