深夜。自棄酒をした兄が眠りに落ちたのを見届けてから、静かに家を出る。
「たくさん謝ったから、許してくれるかな」
兄のことは大好きだ。心から応援していたし、彼らなら人も神も関係なく、きっと心から愛し合っていけるだろうと思っていた。
しかしその裏側で――どうして彼らは、必ず同じ運命を辿るのか。それがずっと不思議で仕方がなかった。
彼女は何故、運命に呪われていたのか。
世界は何故、彼女を排除しようとしたのか。
残酷な運命の渦に、二人は飲み込まれてしまうのかと。
だから僕――龍ノ平快慶は、禁忌を犯した。
兄の力を得た大罪人が、数えることをやめてしまうほど何度も空を千切っている最中。他の龍の神たちがそんな彼と彼女を見守る最中。二人の運命を意図的に操っている者がいるのではないかと、全世界の至る所を徹底的に調べ上げた。
「……傀儡の碧龍、ね」
そしてたどり着いた、青き龍の選定。
つまりそれは、現青き龍である己が、上級神に宛がわれた、仮初めの存在であることを表していた。



