でも今この時、傷付いた心を癒やしてくれたのは、紛れもない弟だから。
「ありがとう。快慶」
「ううん。僕の方こそ、ごめんね」
「なんで謝るんだよ。こっちは感謝してんのに」
「だってついこの間、イックンのお気に入りのコップ割っちゃって」
「そのごめん? 全然いいのに」
「あと、イックンが取り寄せたお酒も飲んじゃって」
「いいよ。旨かった?」
「うん。おいしかった」
へへへと嬉しそうにしている弟の頭を撫でる。心配掛けて悪かったなと。
弟のおかげで、これ以上彼女を思って、一人涙を流すことは……もうないだろう。
「ううん。でも、ちょっと安心した」
「ん? どうして?」
「クリスマスプレゼントにダイヤの指輪は流石に重いかなって。それ渡されるピヨちゃんが、ちょっとかわいそうっていうか。あ、もしかしてもう買ったの?」
「そりゃまだだけど……どうしてお前が、そのこと知ってんだよ」
「検索履歴見ちゃった。ごめんね? 他意はないよ。ネタになるかなと思って」
「かいけいぃいいーッ!!」
弟のおかげで、これ以上恥ずかしい思いをすることも、きっともうないだろう。



