その目の前に座り直して、頭を鷲掴んだ。ぐしゃぐしゃと、その頭を撫でた。「これでよかったんだ」とこぼしながら。
“――故に、お前が変えてみせよ。神もできぬことを為遂げてみせよ”
“――約束しよう。お前の願いが叶うまで、我も心から願い続けると”
「それに、危うく龍青との約束を破るところだったしな」
「……古葉龍青との約束って?」
「何でもないよ」
ゆっくり立ち上がり、弟を跨いで部屋の電気を点ける。
暗ければ暗いほど、気分だって暗くなる。だから、その逆だってあるだろう。そういうものだ。
「おいおい。晩飯買ってきたって、全部ケーキじゃねえか」
「知らないの? 脳疲労には糖分がいいんだよ」
「こんなもんで腹が膨れるか。何か頼むぞ」
「疲れたからすぐ寝るって言ってたの、どこの誰だっけ」
まさか、光の黒龍であった自分が、本当の人間の如く心に振り回されることになるとは。元々が人間ではないのだから、そう簡単に上手くいくわけもないのに。



