こういう、ON・OFFの切り替えにも、単純な乙女心は揺れ動くのですよ。ちらついた【色難】と言う言葉に、すぐ治まりましたけど。
〈それで、先生は今どちらに?〉
《嫌な予感がしたのも本当なんだけど
急に知り合いから呼び出しを食らってね》
〈そうでしたか〉
《そんなに僕に会いたかった?》
〈そういうことを言うから噂になるんですよ〉
《僕の愛人だって?
僕は一向に構わないけど?》
〈では、今日は部屋の掃除をして帰りますね
美味しそうな牛肉弁当といつもの甘味
買って置いてますので食べてください〉
《伊代クンがスルーするー(>□<。)エーン。》
止めなければこんな遣り取りが永遠に続くので、今日はこの辺で切り上げることにして。
「新堂くん、先生今ちょうど出てるみたいです。いつ帰ってこられるかわからないので、今日は顔合わせはなしにして掃除だけしたら社に戻りましょう」
「あ、はい~。わかりました~」と、返ってくる返事がどこかすでに疲れているのは、多分まだ先生のことを捜していたからだろう。あとでちゃんと謝っておかないと。



