青い青い空


 彼女の心は、言わば扉。鍵のかかった扉は、こちらから開けることはできない。

 けれど、やさしい彼女はいつだって、何度もノックをすればそれを開けてくれる。


『――いたっ』

『どうしたの?』

『あ。指を切ってしまって』

『ああ。プリントでか。ちょっと見せてごらん』


 だから、その鍵を手に入れさえすれば、このくだらない輪廻から解放される。


『あっ。せ、せんせ。はなし……っ』

『ん。これくらいなら、舐めとけば治るから。じっとしてなさい』

『じ、じぶんでできますから』

『いいの。危なっかしい君のお世話をしてあげる方が、僕的には役得だから』


 ――そう、思っていた。