訪れる度悲惨なことになっている部屋の惨状や先生の健康面を思い出して、思わず顔が引き攣る。今回はまだスパンが空いていないので、そこまで酷くないことを祈るしかない。
「そうだ。おーい、新堂」
「あ、はい!」
部署の後輩――新堂 を今呼び付けたということは、私にも話を聞かせるつもりなのだろう。
「なんでしょうか、龍ノ平編集長」
「名字で呼ぶなって、俺言わなかったか」
「いえ、流石にそれは」
「慣れろ」
鼻白んだ後輩に思わず同情していた私の耳に届いたのは、ある意味予想していた言葉だった。
「了安先生、お前が引き継げ」
「ええ!? 僕がですか?!」
担当が代わることは珍しい話ではない。寧ろよくある話だし、そもそもアルバイトが担当を持っていることの方が珍しい。
(そうなってしまった理由は、私を現場に慣れさせるための一言に尽きるんだけど)
つまり、習うより慣れろ。元々了安を担当していたのは一石で、私はその補助をしていた。しかし、徐々に編集長として多忙になってしまったため、先生だけはそのまま私が担当を引き継いでいたのだ。
何となく、時間を取ってくれと言った彼の話にも想像が付いた。



