由良野に声をかけられる前に返事ができていればよかったのだが、結局曖昧のままいろんなことがあって、いろんなことを考えないといけなくて、正直私の頭はパンク寸前。
そんな私の反応がただ見たかっただけなのか、次にベリータルトへと手を伸ばす彼は、至極満足そうだったけれど。
「学校生活は順調?」
「うん。宵クンのおかげで卒業できそう」
「ふふ。それならよかった」
「ピヨちゃんは?」
少しだけ悩んで、仕事は順調だよと答えた。こうして雪ノ平先生も期日前にきっちり仕上げてくれるしと、原稿の入った玉突きの封筒を掲げると、ひらりと一通の手紙がテーブルの上から落ちる。
ごめんねと慌てて拾おうとすると、「ふーん。順調なんだ」と少しだけ不思議そうな声が落ちた。
その声にどこか違和感を覚えて、落ちた手紙から顔を上げると、テーブルの上で頬杖を突く彼がこちらをじっと見下ろしている。
「……快慶くん?」
「思ったよりも、余裕そうだなと思って」
「どういう意味?」
「だって、あの野田サンが泣いたのに、その理由を知ろうとしないし」
「それは、野田さんが話したくないと思って」
「それ以外にも、気になってることあるでしょう」
「何を」
「全部わかってたように立ち回っていたサユチャンとか。それこそ、魔法使いのこととか」



