行列のできるケーキ屋で買ってきたチーズタルトを嬉しそうに頬張りながら、先日の約束の相手であった快慶は「ふむふむ」と頷いていた。
「サユチャンから緊急事態って聞いたから、ピヨちゃんに何かあったのかと思って心配してたんだよ」
彼は「連絡してもログインしても、全然反応なかったし」と、拗ねた様子で次はガトーショコラへと手を伸ばす。
「にしても、珍しいこともあるもんだね。あの野田サンが泣くなんて」
「ごめんね。昨日はちょっといろいろあって、あれからスマホを見る余裕もパソコンを開く元気もなくて」
「いいよ別に。気にしないで」
「ありがとう快慶くん」
「クリスマスどうしたのか教えてくれたらチャラにしてあげる」
「んぶふっ!」
いただいた紅茶を盛大に噴き出した私は、辺りを確認する余裕もないままに、なんで知ってるの?! と叫んだ。
「パソコンに、イルミネーションとか夜景の綺麗なレストランとか、高そうなプレゼントとかの検索履歴が残ってたから」
「見なかったことにしてあげて。私も聞かなかったことにするから」



