ベッドの上でノートを広げながら、ぼうっと【青い空】と授賞盾を眺めつつ、アルファベットを書き連ねる。
MI A O SHI I U A GA SHI T HI KI NA A H DA N KI K
「うーん。並び替える? それともやっぱり、何の意味も……」
結局あの後、なかなか野田に解放されないでいると、どこから聞きつけたのか佐裕子が彼を回収しに来てくれた。この後の私の予定も、後日に変更しておいたからと冷静に対応してくれて。
『それで、申し訳ないんだけど、私の代わりにこれ、資料室に持って行ってくれないかしら』
彼女から手渡されたのは、先日最優秀賞が発表された秋のコンテスト。それに応募されていた【青い青い空】。『ryusei koba』と書かれた空色の封筒。
投稿された作品は、特に何か例外がない限り段ボールに詰められて倉庫に保管されるという。それが開けられることは滅多にない。
彼女が一体何を言いたいのか。全てを理解できたかどうかはわからないが、その封筒を片手に資料室を訪れた私は、今まで送られてきた【青い青い空】と書かれた作品を掻き集めた。
そして、ずっと違和感のあった『投稿者名』だけをメモに残した。



