腑に落ちず、思わず口を尖らせていると、「じゃあその分は俺がお前に付き合ってやるよ」と、上から一際やさしい声が降ってくる。
「お前の中から寂しいと思う気持ちがなくなるまで、ちゃんとそばにいてやるから」
「……どうして。そこまでしてくれるんですか」
その問いに、彼は答えなかった。その代わり、「ここまでしといて本気でわかってないなら、流石の俺にも考えがあるぞ」と言う顔が怖かったので、取り敢えず土下座して謝罪した。
「悩んでるのは、それだけか」
「どうしてですか?」
「授賞式の前からお前、ちょっと様子がおかしかったから」
「……そうですっけ」
「絶対そうだ」と彼は言う。けれど、それ以上は言わなかった。
本音を言うと、きっと素敵なはずだった授賞式のことは、一切何も覚えていない。今朝だって、自分の寝室に飾ってある授賞の盾を見てようやく、やったんだっけ……と思った程度だ。
どう対処すればいいかわからないから、今はただその原因を徹底的に避けて通っている。きちんと話をしなければいけないことも、ちゃんとわかってはいるけれど。



