今日の鯖の竜田揚げ定食が最高に美味しくておかわりをしてしまったせいか、それとも今朝方変わった謎解きのような夢を見たせいか、急激な睡魔に襲われていた。
ぼうっとしていたせいでエレベーターのボタンを押すのさえ忘れていた私は、眠気覚ましに階段で移動することに。お腹もいっぱいになったことだし、食後に運動しておくに越したことはないだろう。
階段の扉を開けようとすると、ちょうど向こう側から人が出てきた。持っていた扉を勢いよく引かれ、つんのめって転けそうになる。
「――と。大丈夫か青崎」
「い、いえ。こちらこそすみません」
倒れそうなところを受け止めてくれた一石は、「悪い。人がいるとは思わなくて」と小さな謝罪をくれる。これからは、向こうに人がいるかノックして確かめないといけないですね。あははと言うと、まるで本気でそれを考えているかのような真面目腐った顔で、彼はこちらを見つめてきた。
「あの、一石さん? 冗談ですからね?」
「青崎。今少し大丈夫か」
「え? あ、はい。それはもちろん」
「よし。それじゃあ、取り敢えず移動するか」



