――虹だ。大空に架かる七色の橋。それも、途轍もなく大きな。 ああ、だからこの人は唐突にそんな話をしたのか。 徐に視線を戻したけれど、こちらの感動を余所にやはりその人からは何の感情も読み取れない。 「……君は?」 ついに痺れを切らした言葉に、その人は「え?」と目を瞠る。 「叶えたい願い事。ないの」 「……あるよ?」 問われると思っていなかったのだろう。 でも、驚いたのは一瞬。瞠ったその目をゆるりと緩め、いつもの優しい笑顔を向けてくれた。