青い青い空


「それなら絶対、直接見せてあげなきゃダメだよねーっと思って。まあ実際の空は生憎の雨なんだけどー」


 そうなんだ。そうだねと。きちんと音になったのかはわからない。


「これが御礼とか。素直じゃないから大変ですね、お姉さん」


 そんなことないよと、ちゃんと言葉になったのかはわからない。でも笑顔を返すと、彼女は全てをわかってくれたかのような顔で笑い返してくれた。


「ウォータープルーフだから大丈夫だと思うけど、気になるようだったら眼鏡とか貸すから、遠慮なく言ってくださいねー」


 そう言って彼女は「思う存分見て帰ってください」と、静かに教室をあとにした。きっと、泣いている私を一人にしてくれたのだろう。



「……どう。して……」


 一人、教室で呟いた声は、土砂降りの音に掻き消された。

 だから、何を言ってもいいと思った。


「……よいくん……」


 物凄く会いたい。会って、今すぐこの胸の内を打ち明けてしまいたい。

 そう思うと同時に、全く逆の気持ちも膨らんでくる。こんな不謹慎な気持ちを抱えたままじゃ、絶対ダメだと。