青い青い空




「あ。おっさんはもういらないから。しっしっ」と完全に除け者扱いされたにもかかわらず、了安は「迎えが必要なら連絡して」と、やさしい笑顔を携えたままこの土砂降りの中を帰っていった。


「快ッチからお姉さんを招待したことは聞いてたんですよー。その日は仕事だから難しいってこともー。でもせっかくだし、見に来て欲しいよねーってなってー」

「あ、あの。糸ちゃん? こ、これは、一体どういう状況なのでしょう」


 校内に案内されるや否や、私は糸にとある空き教室へと連れてこられていた。懐かしい光景に昔のことを思い返す間もなく窓際の椅子へと座らされ、彼女の私物らしい鏡を前に何故か化粧をされている。


「コートの中のドレスがさっき見えてねー。めっちゃ綺麗なのに顔とバランスが全然合ってないなって思ってさー」


 マスカラを手に持つ糸の顔には、「我慢ならなかった」と書いてあった。