「お姉さんごめんね。宵ッチ素直じゃないけど、二人のことはちゃんと応援してるって」
「す、砂押ちゃんは、今の発言だけでそこまでわかったの?」
「水臭いなあ。糸でいいよ~」
「よ、糸ちゃん?」
「うんっ。取り敢えず、人の夕飯の心配する前に、目の前のデートに集中しろとは言ってたかも?」
「だ、だからこれはデートじゃ」
「しっかりデート楽しんでこいよとも言ってたかな?」
買い出しではなかったのか、買い出しという名のデートなのかはわからないが、「ということで、あたしもデート楽しんでくるね~!」と。プリーツスカートを翻した彼女は、先に歩き出していった宵のところへと駆けていく。
その姿が羨ましい反面、腕を組んで並んだ二人を見ると、何故だか胸がもやもやした。
たった一言だけで彼女はそこまで弟の言いたいことがわかるというのに、自分にはそれがわからないから。まだまだ知りたいと思う気持ちが足りないのだろうか。それだけは、誰にも負けない自信があったのに。



