「え。うそー。引っかかっちゃったのかな……」
思い立ったが何とやら。髪も乾かさないままに自室へと戻って早々、あの時一石からもらっていた【青い空】を読もうとしたのだが、どうやら【期待の新星 古葉龍青】と大きく書かれた帯か何かが、引き出しのどこかに引っかかってしまったらしい。もう随分と傷んでいたから、そろそろどうにかしなければと思っていた矢先にこれだ。
必死の格闘の末、完敗を食らった私はそのままベッドに倒れ込む。カーテンの開いた窓の向こうでは、ちょうど星が一つ、流れて消えたところだった。
「……すごく、似てたなあ……」
それは、たまたま目にした応募作品。黒瀬違いの人が書いた、とても短い物語。
タイトルは勿論、九色の虹が出てくる内容もそうだ。でも一番はそうじゃない。雰囲気や書き方も、同じだと思えるほどにはよく似ていた。
「まるで、本当に古葉龍青さんが書いたみたいな」
だとしたらそれは、なんて悪い冗談なのか。



