“私が、全ての世界から消えてなくなる夢と、言えばいいんでしょうか”
今もまだ、全く見ないわけじゃない。けれど、見始めた当初に比べればよく眠れている。きっと、自分の中での認識が変わってきたからだと思う。
今は、全ての世界から消えていっているのではなく、散り散りになった欠片が集まって、一つになっていくような。そんな感覚がしていた。
だから前ほど、夢を見るのが苦ではない。寧ろ見たいと思う。もしもこの夢が自分の欠片なら、きっとあの人が、命をかけて集めてきてくれたものだと思えるから。
「伊代さん、手を出してもらえますか」
「え? あ、はい」
どことなく嬉しそうにしている広夜の前にそっと両手を出すと、その手の平の上に置かれた長方形の箱。綺麗にラッピングがされているからか、広夜は乗せただけだというのにそれだけで満足そうな顔をしていた。
「あの、これは……」
「開けてみればいいんじゃねえの」
そして宵に促されるまま、そのラッピングを丁寧に剥がしていく。箱を開けると、中から現れたのはシンプルなデザインの眼鏡だった。



