『大丈夫大丈夫』 ぽんと肩を叩かれると、その不快だったものが一気に穏やかになる。 『俺が絶対。絶対君を、守ってみせるから』 『……それも、ナンパの手口ですか?』 『え?』 『ふふ。冗談です』 それも、大らかな彼の成せる技だったのか。 (でも、これが最後のチャンスかもしれない) 今の状況を脱せる一手になるかもと。もしかしたらこれでやっと変われるかもしれないと。 思ったから私は、彼の手を取ったんだ――――。