〝九色の虹の根元には神様が眠っている〟
言いたい放題言う人間に、怒る神がいた。
愚かだと、蔑む神がいた。
呆れる神がいた。
耳を貸さぬ神がいた。
無関心な神がいた。
嘆く神がいた。
哀れむ神がいた。
心を痛める神がいた。
『人間よ。名は何という』
黒い神が問うた。
人間は答える。『名前が聞きたいならまずは自分から名乗るのが礼儀だ』と。
黒い神は笑った。
そこで初めて気が付いた。生まれて初めて、自分が笑ったことを。
〝九色の虹の根元には神様が眠っている〟
『我が名は光の黒龍。人間よ。怒りは至極真っ当。我もそれに同意しよう。だが、お前の願いは叶えることはできない。たとえ怠惰でなくとも、神は消滅した魂を死した肉体に戻すことができないのだ』
黒の神は、そう言って人間に手を差し伸べた。
『故に、お前が変えてみせよ。神もできぬことを為遂げてみせよ』
そして黒の神は、己の力を人間に分け与えた。他の神たちの反対の声に耳を貸さぬまま。



