「しょうがねえから、青崎のいないところで殴ってやるよ。俺やさしいから」「いえ、殴る時点でやさしくはありませんけど」というやりとりをもう少し聞いていたい気もしたが、残念ながらもう本当に休憩を上がらねば。でないと私には、由良野の雷が落ちる。
「場所と時間は、決まり次第野田さんが連絡しますので」
「おい右京」
「因みに今晩は野田さんの奢りだそうですよ。居合わせて幸運でした」
「拳骨だけじゃ物足りねえみたいだな?」
そう言って、一方的に約束を取り付けていった二人は仲よさそうに部署の方へと帰って行った。聞いた話では二回りほど年齢差があるらしいが、まるで兄弟のような彼らに思わず笑みがこぼれた。一体いつ、何でも言い合える絆ができたのだろう。
「……何でも、言い合えるか」
“そういうことは、今度からちゃんと言って”
言っていないのは、どちらの方か。



