青い青い空




 まだ食べられそう? と伺いを立てて丼を下げようとしたら「腹は減ってるから食う」と言うので、それ以外を下げて洗い物を続行する。

 ズズッという音と「いって」と言う声が交互に続いているうちに、気が付いたら胸の気持ち悪さは消えてなくなっていた。


「無理しないでいいからね。足りなかったら何か別のご飯用意するから」

「食うっつってんだろ」

(負けず嫌いなんだから)


 けれど、次第に痛みが恐怖に変わってきたのか、なかなか箸は進まず。口元まで持ってきては離しを繰り返した後、「ちょっと休憩」と最終的には箸を置いた。

 人が苦しんでいるところを見てこんなことを思うのもどうかと思うが、それがちょっとかわいくてクスッと笑ったのはここだけの話だ。


「つか、お前の方はどうなんだよ」

「乾燥対策にリップは常に持ち歩いてるよ」

「誰が今そんな話してんだよ。昨日の男の話に決まってんだろ。確か、随分な捨て台詞吐いてたよな」

「い、言ったでしょう。ただの上司と部下だよ」