確証があるようにはっきり肯定したからか。参考書に視線を落としていると、目の前からひしひしと視線が飛んでくる。
「何? 知り合い?」
「一方的だけどな」
「あ。だからお姉さん取られると思って突っかかったんでしょう」
「でもお前は有害」
「失礼な! どこをどう見たら、このかわいいあたしのことが有害だと思うのよ!」
「何度も言わせんな。勉強しねえならさっさと消えろ」
そう言って、採点すらする必要がないほど完璧に埋めてある答案用紙を突き返す。
「それとも、俺の部屋でもっと違う勉強でもするか」
強引に砂押の顎を掴んで引き寄せる。しかし、脅しのつもりで言ったそれに返ってきたのは、「そんなにしたいんだ。あたしと」と言う強気な得意顔だけ。
彼らとは違い、互いの間に甘い雰囲気は一切ない。殺伐とした睨み合いは、面倒になった俺が手を離すまで続いた。
「確かに、教育指導はハゲだし馬鹿だが金には貪欲だ。補習するだけで手当が付くなら尚更な」
「確かに馬鹿だよねー。ちょっと色目使っただけで、ほいほい人の個人情報渡すんだからさー」
女優の卵だからか。がらりと変わった雰囲気に、眉毛一つ動かさないまま、それで? と続きを促す。
「勉強なんか必要ねえ奴が、どうしてわざわざ家まで押しかけてきた」
「ん? まあ、強いて言うなら興味があったから?」
「何に」



