青い青い空


「家に帰ったらさ、さっきピヨちゃん帰ったよって、言うんだわ快慶が」

「だ、だからって」

「んな顔すんなよ。ただの点数稼ぎなんだからさ」

「て、点数稼ぎ?」

「まあ、俺がただ一緒にいたかったっていうのも、理由としてないわけじゃない」


「んじゃ青崎さん、また明日」と、彼は後ろ手に手を振って地下へと下りていった。


「また明日、って……」


 一体どんな顔をして出勤すればいいのか。経験値ゼロの私には、到底無理な話だった。


 ♦


「……おっ! あの様子はどうやらいちゃついていたようだねえ。公衆の面前でやるう」

「勉強の邪魔する奴は消えろっつったんだけどな」

「本当は気になって仕方がないくせにい。そう言うのなんて言うか知ってる? シスコンって言うんだよ」

「帰る」


 本気で席を立とうとする俺の袖を掴みながら、「ごめんごめん。勉強するからさー」と、砂押はペンを走らせた。


「でも、これでも心配してるんだよ。放っておいていいのかなって」

「いいんじゃね。寧ろあんな奴でもいいって言ってくれる奴の方が貴重だし」


「強がっちゃってまあ」とこぼしながら、「すみませーん! メロンソーダ一つくださーい!」と砂押は空気も読まずに注文を叫ぶ。


「そんなこと言ってると、本当にそうなっちゃうんだからね」

「何に対してキレてんだよお前は」

「お姉さん本当に捕られちゃうかもよ」

「あいつが決めたことならそれでいいだろ」

「まあ悪い人ではなさそうだったけどさあ」

「あいつは無害だよ」