「……女子高生に、いじられまくった」
「そう、ですね」
「男子高生に、本気で叱られた」
「そ、そうですね」
さっさと退散した大人組は、店先で深く反省していた。そして、二人同時に頭を抱えた。こっぱずかしくて仕方がなかったから。
「やべえ。割と本気で弟くんに合わす顔がないわ俺」
「そ、それよりも先程は弟が失礼なことを言ってしまって」
口調には気をつけるようにと言ってはいるんですけど……と言う私に対し、「口調はさておき、真っ当な指摘におっさん本気で顔熱くなったわ」と、一石はぱたぱたと顔を仰いでいる。
「大体、大の大人が一体何してんだって話だよな」
「やったことと言えば、勉強の邪魔」
「それ以上は言うな。大人としての威厳を失う」
「私は元からあまり持ってません」
がっくりと肩を落としていると「まあ、でもちょっと安心したわ」と、隣から声が上がる。大人の威厳を持っていないことの、何が安心だというのか。
「弟さんと、あんま上手くいってないって言ってたから」
「あ。その件につきましても、大変ご心配をおかけしました。家まで押しかけてしまいまして」
「んや、あん時は俺が持ち帰っただけだし」
(も、持ち帰られたのか、私は)
「んじゃ、また困ってることがいつでも頼れよ」と買い物袋を手渡した一石が歩き出したのは、会社の方ではなく駅の方角で。
「ちょっ、一石さん!」
まさか、本当は家に帰っていたところだったとか、言わないですよね。



