広夜から聞いた話によると、すぐに手当てをしに行った私たちとは反対に、怪我を負った男子生徒は再び校長室へと戻ったそうだ。全ては、自分がしたことだと罪を認めるために。
勿論したことは許されるべきことでないが、すぐに認めることができる彼にもいつか、いいことが巡ってくるようにと夏の青空に小さく願った。
「いつまでも辛気くせえ顔してんなよ。たった一週間で、もう何日経ったと思ってんだよ」
出された昼食に文句も言わず食べている宵は、まるで気分屋の猫のように見えた。今まであれだけ一緒に食べようと行っても食べてくれなかったのに。
でも、ようやく懐いたかと思ったらまたツンケンしてしまうのは目に見えているため、それだけは絶対顔に出さないよう、慎重に事を進めることにする。
「ていうかお前以前の問題で、俺に文句があったからこんなことが起こったんだろ」
「心当たりがあるの?」
「事あるごとに勝負は仕掛けられてたな」
定期考査。スポーツテスト。生徒会選出。指定校推薦枠。そのどれも挑んでも相手にすらしなかったため、今回のような事件が起こったのだろうと。
「クラスの子達と仲良くしてないの?」
「必要ねえからな」
「友達は一生の宝だよ?」
「それが少ねえ奴に言われてもねえ」



