わかりましたと聢と頷くと、「話は以上です」と広夜は一際やさしい音で、今までの隠し事を締め括った。
「お仕事でお疲れのところ、話をしてくださって本当にありがとうございました」
「お礼を言うのはこちらですよ。僕の方こそ、遅くなってしまい申し訳ありませんでした」
似た者同士だからか、しばらくの間感謝と謝罪の応酬が続いた。
「広夜さん、一ついいですか?」
「ん? 何でしょう」
話し終えたことで緊張が取れたのか、少しだけ表情の崩れた彼にずっと聞きたかったことを聞いてみる。
「その。今回の宵くんに対して、学校側と向こうの保護者は何と……」
「反省文と、一週間の停学処分で事は済みました」
「勿論治療費は全額こちらが持ちますが」と、彼はどこか誇らしげに缶ビールを呷る。
「本当は処分無しまで漕ぎ着けたかったのですが、流石にそこまでとなると、学校側の立場もあるみたいなので」
「残念そうですね」
「それはそうですよ。もう少しで大事な息子を陥れられていただけでなく、大切な娘まで傷付けられては、こちらとしても黙ってはいられませんからね」
「伊代さんが持っていた証拠の動画やお知り合いの証言に加え、知り合いに優秀な警察官や有能な弁護士がいることを匂わせたらあっさり引き下がりましたけど」と、少しだけ不満そうな顔には、存分に『闘い足りない』と書いてあった。



