青い青い空




「け、怪我人は大人しくしてて」

「泣きべそ野郎こそ、大人しく座ってろ」


 二人で近所のスーパーへ買い出しに行った後、台所では一騒ぎ起きていた。手に怪我をしている人間が、夕食を作ると言って聞かないのだ。


「そ、そんな手で料理させるわけには」

「鼻水入った飯なんか誰が食うんだよ」

「も、もう垂れてないもん」

「制服鼻水だらけにしといてよく言うぜ」


 ああ言えばこう言うを繰り返しながら、見事大敗を喫した私はせめて、他の家事をしようと台所を後にする。

 洗濯物を畳んでいると、「鼻水付けんなよ」と笑われた。


「鼻水キャラは忍者の卵だけでいいと思う」

「し○べえの跡継ぎ出来たな」

「どうにか払拭できないかな」

「一生無理かもな」


 比較的明るい返事が返ってくる。ちらりと台所の方を覗き見ると、ビニール手袋をした宵が、器用にジャガイモの皮を剥いていた。