それから校長室には保護者のみを残し、私は宵を連れて帰宅することとなった。話がどうまとまるかはわからないが、実の息子のために、きっと彼は手を抜きはしないだろう。それについては、少しだけ自信があった。
「適当でいいんだよ、こんなもん」
「だめだよ。ちゃんと清潔にしないと」
その前に保健室で彼の手当をすることに。「必要ない」と突っ撥ねられたが、それでも何度も食い下がると、突っ撥ねること自体が面倒になったのだろう。「さっさとしろよ」と、今では大変横柄な態度で両手を差し出している。
「それで? お前も俺のストーカーなわけ」
「消毒するからちゃんと広げて」
「知り合いって、どうやって知り合ったんだよ」
「それはいろいろ。斯く斯く然々ありまして」
快慶に至っては自分の名前を出してもいいと許可をもらっていたが、イベント会場で出会った二人には、自分たちのことは伏せておいて欲しいと言われたので、少しだけ説明が難しい。
どうしたものかと悩んでいたのがきっとわかったのだろう。「面倒くさそうだからいい」と、さらっと流された。取り敢えずこの三人には、また改めて感謝を伝えることにしよう。



