流れていた動画を止めて、私は改めて、この場へ集まった全員によく見えるようミュートモードを解除する。ガーゼの隙間からでもわかるほど、見るからに顔色が悪くなっていくクラスメイトを見て、全ては確信へと変わった。
「やめなさい」
再生ボタンを押す振りをしていた私を止めたのは、他でもない広夜だった。
「大変失礼を致しました。如何なる処分でも、受け入れる所存です」
「ちょっ、父さん!」
「宵。謝りなさい」
「なんで俺が謝らないといけないん」
「謝りなさい」
てっきり、それでも絶対に謝らないと言い張ると思っていた。
「……すみませんでした」
弟は、静かに頭を下げた。それ以上の文句は言わないまま。その横顔が、とても誇らしく見えた。
(……びっくり、した……)
そう思うと同時、実感せざるを得なかった。いつの間に、こんなにも大人になったのだろうと。



