青い青い空


「それにつきましては、お電話をいただいた時点で把握しております」


 そう口を開いた広夜から隣へと視線をやると、彼は何を思ったか、さっと手を見えないところに隠した。

 それを横目で確認していると、「それならお話が早う御座いますわ」と、甲高い声が耳に付く。


「ご家庭の事情に首を突っ込むのもどうかと思いますが、敢えて言わせていただきましょう。お宅は一体どういう教育方針をなさっていますの?!」


 キーンと不愉快な声が部屋の壁に反響する。それに一度顔を歪めてから、負けじと口を開こうとしたが、まるでそれを遮るようなタイミングで広夜が再び口を開く。


「何も強いることなく、息子が考えるまま自由にさせています」

「成る程。それはそれは素晴らしい方針ですわね。まあ、その結果このような事態を招いたのですけれど」


 そして耳障りな声で、「見てみなさいな。こんな痛々しい姿になって……」と、自分の息子の状態をこれでもかというほどひけらかした。そんなもの、改めて言われなくとも入った瞬間にいやと言うほど知っていたが。