校長室へと案内されると、扉を開けるなり宵は心底嫌そうな顔をした。
「お待ちしておりましたよ、青崎くんのお姉さん」
その弟のローテーブルを挟んだ向かい側に座っているのは、顔を歪に腫れ上がらせ、ガーゼだらけになっている男子高校生と、その母親であろう眼鏡の女性。
見た目で人を判断するのはよくないことだが、そこはかとなくヒステリー臭が漂っていた。
「お姉さんも、どうぞおかけになってください」と教師陣に促され、弟の隣に座る。
「なんでお前まで来てんだよ。さっさと帰れよ」とぶつぶつ言われたが、その声はどこか元気がない。
そんな弟を挟んだ向こう側には義父――広夜が、こちらには目もくれないまま座っていた。
(まさか、広夜さんまで来ているとは思わなかった)
実の息子の一大事となると、仕事など手に付かなくなるのだろうか、仕事着である手術着のままだ。
「この度お集まりいただいたのは他でもありません」
少しばかりの寂しさを胸に抱えながら、校長が切り出した話に耳を傾ける。内容は、青崎宵がクラスメイトに殴りかかった、というもの。



