「おーっす。なになに? 黒瀬のこといじめて遊んでんのかよ青崎。俺も混ぜろ」
「久賀野くんの何がいけないのかわかったよ」
「ん? 何のこと?」
「空気が読めないこと」
「読んでるっつの。あまりにも暗すぎたから明るく入って来てやったんだろうが」
「そういう気遣い必要ないんで」
「除け者にすんのやめろ。寂しいだろ。同盟組んだ者たち同士」
「……同盟?」
“やっぱり【 】同盟を結んだ者としては、一番に目を通すべきじゃない?”
最近、どこかで何かを聞いたことがあるような。
「まさか青崎、お独り様同盟を忘れたんじゃないだろうな」
「あ。ごめん違うの。正直、今は本当に参ってて」
相変わらず、ラーメンにCセットをお盆に乗せていた久賀野は、「どうした。何があったんだよ」と心配そうな顔で私の隣へ座り、事のあらすじを聞いてくれた。
「は? そんなことで悩んでんのかよ」
「そんなこととは失礼な! こっちはね、編集長の雷をどう上手く回避してやろうかって必死なのよ!」
「く、黒瀬ちゃん、ちょっと楽しんでない?」
すると、今度は大きなため息を吐いた久賀野が、「いやだから」と、黒瀬以上の爆弾を落としていった。
「適任」
「「え?」」
「だろ? どう考えても」
「や、やってくれるの? タダで?」
「当たり前だろ。困ってる時はお互い様。困ってる奴がいたら、手を貸してやるのが常識だろ」
彼の意外な一面に言葉も出ない様子で、黒瀬は感謝を表すように、しばらくの間頭を下げ続けていた。



