詳しい話を聞いてすぐ、思わず立ち上がった。
「お、お見合い?! ライバル社の社長息子と?!」
何でも、彼女の所属する部署の編集長が、そのライバル社の社長と旧知の仲らしく。この度息子の相手を捜しているとか。
「そういうシステムって現存してたんだ……」
「息子と同い年だからって、どうしてあたしに白羽の矢が立つのよお」
(どう考えても、それだけではないような気がするけれど)
お気に入りなのか、片方しかない楕円型のピアスを揺らすように弄りながら、美人の彼女は大きなため息を落としていた。この見合い話が、心底嫌らしい。
(そういえば、何度か編集長に呼ばれてたみたいだけど……)
もしかしたら、そのどれか一つはこれだったのかもしれない。
できた彼氏とも長続きしないまま、その見合いが間近に迫ってしまったせいで変に焦ってしまっているのか。正常な判断ができてないのは、きっとそのせいだろう。
「青崎ちゃん」
「ん?」
「死に物狂いでたどり着いた虹の根元なのに、すぐ幸せにはなれないんだね」
「黒瀬ちゃん……」
「これだけ必死に探してるのに。あたしなんかが幸せにたどり着くのは、まだまだ先のことなんだろうね」



