青い青い空


「はいはいはーい! ウェーブさん! まずは俺からいいですかー!」


 そうして手を上げたのは、紫電の衣を纏う者。


「……何だ、(むらさき)

「最後に集まったのって、確かこの前でしたよね?」

「人の世で言ったら、もう十五年も前だけどな」


 円卓に足を投げ出しながらそう答えたのは、天籟の衣を羽織る者。


「さっすがウィンドさん! 年食ってるだけのことありますねえ!」

「喧嘩売ってんのか」

「落ち着いてくださいよ天籟(てんらい)。始まったばっかりで喧嘩はなしですって」


 そう二人を宥めるのは、劫火の衣を纏った者。


「潮騒様。一つ気になったことがあるんですけど」

「なんだ、緋色(ひいろ)

「名前はもう忘れましたが、先刻俺らの元へと辿り着いた愚かな人間に、無事施しは与えられたと記憶しています。二色の犠牲と多少の苦悩はあったにせよ、俺らの仕事は成されたと」

「そうだな」

「人の世で十五程の時が経ち、再びこうして集められたということは、再び愚かな人間が俺ら九つの元に辿り着いたと?」

「残念だがそうではない。我々は未だ、()()ではなく()()のままだからな」


 藍は、空席二つに視線をやりながら、静かにそれを手元に落とす。その者の手の中には、白と黒のビードロ玉のようなものが、僅かに寂しそうな音を立てながら転がっていた。