「専務、青崎が困ってます」
「困ってるって何よ。そっちこそ感動の再会邪魔すんじゃないわよ」
私が唯一知っている七不思議――龍ノ平家事情。
公にはされていないが、社内でも一つも隠そうとはしないこの仲良し感。二人だけの時も、きっとこんな感じなのだろうなと容易に想像が付く。
そして、美男美女が並ぶと絵になる。誰がどう見てもお似合いの二人だ。まだ式は挙げていないらしいから、大好きな二人が幸せになる瞬間は絶対この目に焼き付けたいというのが、今の私の目標と言っても過言ではない。
「邪魔しないと、あなたの豊満な胸で窒息しそうなので」
「え! 伊代ちゃん? 生きてる? 大丈夫?」
「ぷはっ! す、すみません。ここは一石さんだけのポジションなのに……」
「「は?」」
ふわふわ天国から解放されてようやく、いつぞや時間を取ってくれと言われていた専務からの話に。
「パーティーの招待? 私をですか?」
全く予想だにしていなかった話に、復唱してもまだ、その言葉の意味を理解できないでいた。



