ビルの外へと出ると、新堂の言っていたとおり、かんかんに怒っている由良野が仁王立ちで待ち構えていた。
「遅い!」
「すみません!」
「新堂! 一石さんはどうした! どうして引き摺って持ってこない!」
「ええ?! それ本気だったんですか?! 流石に編集長にそんなことできませんよ!」
「仕事が終わり次第来るとは言ってたんで、それで勘弁してくださいよ~」と、それまで前に立っていた新堂が後ろに隠れたため、私の姿が丸見えになる。
「……青崎さん?」
「は、はい。すみません遅くなって」
「もしかして、体調悪かったんじゃないの」
「あ。ほんとだ。青崎さん大丈夫ですか? 顔色が心配になるくらいに真っ赤で」
「ちょ、ちょっと暑気が来ただけなんで。大丈夫です」
「そうですか? 雨降ってるから、ちょっと肌寒いくらいですけど。もしかして熱があるんじゃ」
「な、ないですないです。ほんと、ただの暑気で」
「暑気、ねえ」
何かを察したのか、できれば察して欲しくはない由良野に意味深な表情を向けられるが、それどころではない私はさっさと打ち上げ現場へと早足で向かって行く。



