青い青い空


 さて何と答えたらいいものかと悩んでいると、「あー! 青崎さんと一石編集長はっけ~ん!」と、文芸部署に賑やかな声が響いた。


「電気が付いてたからもしやと思って来てみれば。二人とも忘れちゃってたんですかー? 今日はこの間のイベントの打ち上げですよー?」


「下で由良野さん、かんかんに怒ってるんですけどー」と言う新堂は、どうやらその先輩の命令を受けて、ここまで走ってきたらしい。


(ありがとうございます新堂くん)


 いろんな状況を一気に解決してくれた彼に心の中で何度も御礼を言ってから、電話口に「聞こえた?」と声をかける。


「今日打ち上げだったの忘れてて。ご飯も外で食べてくるから、私のことは気にしな――」

『あっそ』


 最後まで言えず、言いかけて残った口の形は、ただただ虚しかったけれど。


「あ、あの。電話大丈夫でしたか?」


 まさか話し中だとは思いもよらずと、大声を出してしまったことを申し訳なさそうにする新堂へ、全然大丈夫ですよとにこり。笑いながら身支度を調える。


「一石編集長は行けそうですか?」

「まだ仕事が残ってるから、終わり次第合流にするわ。行けんかったら由良野に謝っといてくれ」

「わかりました。青崎さんはどうですか?」

「あ、はい。大丈夫です」


 すると「じゃあ一緒に行きましょう!」と、新堂は見るからに嬉しそうに喜んだ。ワンコ気質だからか、付いてもいない尻尾がぶんぶんと振っているように見える。

 素直に気持ちを表現できるところは、羨ましく思うと同時に少しかわいらしい。