青い青い空




「ふーん。そんなことがねえ」


 呟いた快慶に、小さく頷き返す。そんな私に、彼はふっと口元に笑みを浮かべた。


「ねえピヨちゃん。よかったら今度、イックンの話聞かせてよ」

「え? それはもう、喜んで。ネタならいっぱい持ってるし」

「あと、今度は仕事なしで遊びに来て? そうしたら僕も執筆頑張れそうだし」

「それは、もちろん。機会があれば……」


 きっと、彼は気付いているはずだった。それでも、私が求めている回答を言おうとしない。


「じゃあ、今度インする時はピヨちゃんに連絡入れるね。あ、でもこれってもしかして仕事用?」

「……どうして」

「何が?」

「私が欲しい答え、わかってるんでしょ」

「わかるよ。ピヨちゃんわかりやすいもん」

「じゃあどうしてわざと避けるの」

「僕がわざわざ言わなくったって、いいんじゃないかと思ったんだよ」

「どうして……?」


 不安げな私の片手に、彼はそっと触れる。

 もう片方の手を、自分の胸に添えながら。


「答えはもう、この中にあるでしょう?」
 

 トンと指先で、私の手の甲に触れながら。