青い青い空




「ある時から、自分は一体何のために存在しているのかわからなくなって。気付けば無価値なんじゃないかと思うようになっていました。そんな不安から逃げるように、誰からも認められるような人間であろうと。いい人であり続けようとしたんです」


 でも、どれだけいい人であろうとしても、不安を完全に拭うことはできなかった。怖くて、自分の存在を認めて欲しい人たちからは、ずっと逃げ続けていたから。


「やっぱり青崎さんは、青崎さん自身をもっと評価するべきですね」

「あはは。弟とはあれから一歩も進歩してませんけどね」

「それについては少し難しいかもしれませんが、でも何もしていない時よりはずっといいのでは? 受け入れてもらえるかはさておき、向き合うだけでも、あなたの気持ちは十分届くのではないかと」

「向き合う、だけでも……?」


“――お前なんか家族じゃない。そう思ってんだろ。気付いてないとでも思ったわけ”


 そう思ったことは一度だってない。でも、そう思わせてしまったのはきっと、彼らと心から向き合おうとしていなかったから。母にばかり頼りすぎていたから。


「悪い方向に考えるよりは、少しでもポジティブに考えた方が、人生楽しくなると思いません?」

「右京さんって、そんなこと言うタイプでしたっけ」

「今のは、青崎さん語に翻訳した言い方ですね」

「右京さん語だとどうなるんですか?」

「そんなことで悩む暇があるなら、もっと有意義に時間を使ったら如何ですか」

「ふはっ。ぽいです」