二本目の煙草を吸おうとした彼は、箱から飛び出した一本を指で引き抜こうとして途中まで出したが、何を思ったのか静かにそれを戻していた。
「僕は基本自己本位な人間なので、正直相手の気持ちとかあまり考えて行動することがありません。そのせいか、割と高確率で人を傷付けたり、嫌われたり、喧嘩したり絶縁したりしますけど」
(完全に自業自得なのでは)
「ですから、すごいなと思ったんです」
「ごめんなさい。本当に、何を言っているのかサッパリわからないんですけど」
「だって、青崎さんのそれって、結局は人のことを大切にしているからじゃないですか」
「はい?」
今の話からどうしてそのような結論に至るのか。私の話をしているはずなのに、私にはそれが全くと言っていいほど理解できなかった。
「性格上、勝手に他人が傷付こうが僕は一切気にはしないんですが」
(少しは気にされた方がいいかと)
「でもあなたはそうじゃない。少なくとも、他人が傷付いたことを知れば、傷付けたことを後悔するでしょう? 後悔は、多少なりともあなたの心を傷付けるのでは?」
「……確かに、全くないとは言いきれませんが」
「でも、あなたは傷付くのが怖いのでしょう?」



