病室の窓を酷く雨が打ち付ける。風も強いのか、ガタガタと壊しそうな勢いで窓を揺らした。
真っ白なベッドの上で頭に包帯を巻いた野田は、ただ静かに眠っている。
「じっと見ていたところで起きませんよ。青崎さんも少し休んだらどうですか」
彼と同じ部署の右京は、私と同じく付き添い人として救急車で病院へと来ていた。
静かに首を振る私に、ため息を落としながら彼は隣に腰掛ける。
「私、もう両親はこの世にいないんです。だからか、野田さんのことは本当の父のように思っていました。この人がお父さんだったらと、何度思ったかわかりません」
「つまり、家に居場所がないから野田さんをその代わりにしていたと。とんだ物好きな方もいたものだ」
「どうしてそんな言い方しかできないんですか」
「どうしても何も、そのままの意味でしょう」
「父のように慕っていた人を心配してはいけないと?!」
「病室ではお静かにした方がいいのでは?」



