青い青い空


『あの、龍ノ平編集長。野田さんは……』

『一石』

『無茶言わないでください……』

『野田さんは、全身の筋肉痛と軽いぎっくりで午前休』

(え。もしかしなくとも、その原因って……)


 案の定、部署全体が微妙な空気に。『おいおいまたかよ』『いつまでも若くないって、何回言えば』と、ぼそぼそ聞こえてくる声に、午前中は冷や汗が止まらなかった。



『おい、青崎』

『な、何でしょう』

『ちょい顔貸せや』

『へえっ?!』


 彼が出勤して早々、手作り弁当を食べていた私は首根っこを掴まれ、連行される形で昼食の時間を中断させられた。

 そして連れて来られたのは、大賑わいしている社員食堂。目の前には、美味しそうな鯖の竜田揚げ定食。


『あ、あの。野田さん……?』

『あんなちっこい弁当だと体力持たねえぞ』

『お、お気持ちは大変有り難いのですが』

『まあ騙されたと思って食ってみな。今日の日替わりが俺的にはベストオブメニュー』


 そう言いながら、目の前で彼は大盛りのラーメンと餃子とチャーハンを存分に掻っ込んでいたが。


『お、おいしい……!』

『だろ? 加えてこの席は、俺的ベストオブポジション』

『ふはっ。野田ベスト、いっぱい教えてもらっちゃいました』

『当たり前だろ。それだけのことしてんだから』